診療案内

一般外来

発熱、咳、鼻水、下痢などの急性疾患に対応いたします。多くのウイルス性上気道炎・気管支炎、ウイルス性胃腸炎などの急性感染症は、抗菌薬を使用しなくても自身の免疫力によって自然に軽快するため、当院では対症療法(鼻汁吸引や、去痰剤・整腸剤投与など)を中心とした治療を行っています。溶連菌感染症や細菌性腸炎などの細菌感染症の場合は、症状の重症度に応じて抗菌薬を使用します。

気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、じんましんなどのアレルギー性疾患に対しては、個々の症状、重症度に応じた治療を行っています。

当院で実施可能な迅速検査は、アデノウイルス感染症、インフルエンザウイルス感染症、溶連菌感染症、RSウイルス感染症、ヒトメタニューモウイルス感染症、マイコプラズマ感染症、ロタウイルス感染症です。症状および周囲の流行状況を考慮して、必要に応じて検査を行っています。

※園児、就学児のワクチン接種につきましては、午後4:30からの診療時間でも対応可能ですので、一度お問い合わせ下さい。

頭痛外来

日常診療において慢性あるいは反復性頭痛を訴えて医療機関を受診するお子さまは少なくありません。しかし今までは特に小児科領域の頭痛診療に注目されることはなく、しかるべき治療を受けないまま苦しんでいる小児が多くみられました。そこで当院頭痛外来では頭痛で苦しんでいるお子さまに対して、国際頭痛分類を用いた頭痛診断を行い、生活指導のほか鎮痛薬を中心とした薬物治療を行っています。

一言で頭痛といっても頭痛の性状、程度は個々で様々で、その診断、対処法も一様ではありません。特に日常生活への支障度が高い片頭痛では、小児の場合は成人の片頭痛の特徴と必ずしも一致するわけではありません。また、筋肉の緊張や精神的緊張などから生じる緊張型頭痛もしばしばみられます。さらに一見頭痛とは無関係に思われがちですが、以前から「自家中毒」「アセトン血性嘔吐症」などと呼ばれていた周期性嘔吐症候群は、片頭痛予備軍として、片頭痛の下位分類に組み込まれています。このようなお子さまに対しても必要に応じて薬物治療を行っています。

鎮痛薬を使用してよいかわからない、鎮痛薬が効かない、毎日頭痛がして日常生活に困っているなど、頭痛に関してお困りの際は一度ご相談ください。

代表的な一次性頭痛

○片頭痛

【症状】
片側あるいは両側の拍動性の痛みで4~72時間(小児では2~72時間)持続します。
いったん頭痛発作が始まると、寝込んでしまうことが多く、悪心や嘔吐がみられたり、いつも以上に光がまぶしく感じたり、周囲の音がうるさく感じたりすることがあります。人によっては頭痛の前に前兆(視野の端がキラキラする、物が見えにくくなる、手足や口周りがしびれるなど)を感じることがあります。

【治療】
成人領域では片頭痛特異的治療薬であるトリプタン系製剤が使用されるようになり、治療の幅が拡がりました。
小児においても年齢、体重に応じて投与量を計算して使用する場合もありますが、一般的にはアセトアミノフェンやイブプロフェンを中心とした鎮痛薬を使用して十分に作用が得られます。頭痛のために学校を数日欠席しなければならない場合は、バルプロ酸、シプロヘプタジン、アミトリプチリン、塩酸ロメリジンなどを用いた予防治療を行っています。

○緊張型頭痛

【症状】
首~後頭部にかけての重い感じや、頭部全体の締めつけられるような痛みが多く、30分以上持続します。程度が強いと悪心を伴うことがあります。要因としては肩こり、姿勢異常、ストレスなどが挙げられます。片頭痛と比べると頭痛の程度は比較的軽度の場合が多いようです。

【治療】
症状が特に強い時にはアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの鎮痛剤を使用することがあります。肩こりが主な原因であれば、筋肉をほぐす運動やストレッチを勧めています。歯ぎしりが強い場合にはマウスピースを使用することで改善することがあります。

二次性頭痛
(頭蓋内に限らず、頭痛の原因となる何らかの疾患があって発生するもの)

小児の二次性頭痛で多いものは、感染症による頭痛です。インフルエンザや溶連菌感染症における発熱の際に伴う頭痛を指します。これらの頭痛は、感染症の軽快とともに消失していきます。また副鼻腔炎においても前頭部痛がみられることがあります。
意識障害がある、手足の動きが悪い、痙攣しているなどの症状がある場合には、すぐに治療が必要な疾患が存在する可能性がありますので、救急病院を受診しましょう。

神経外来

『全然お座りをしない』、『1歳半になるのに独歩できない』、『夜興奮してなかなか眠れない』、『2歳になっても有意語がでない』、『からだをピクンとさせる』など、お子さまの発達の悩みは尽きません。多くの場合は個人差の範囲に入り、病的ではないことがほとんどですが、中には検査を必要とする場合があります。気になる点がありましたらご相談ください。

感染症

こどもは成長過程で数多くの感染症に罹患します。肺炎球菌やインフルエンザ菌による細菌性髄膜炎、冬に流行するロタウイルス胃腸炎は、予防接種の働きでほとんどみられなくなりました。しかし現在でも、夏にはヘルパンギーナや手足口病が、冬にはインフルエンザが流行します。

多くの感染症はウイルスが原因で発症し、毎年流行状況が異なります。多くのこどもはこのようなウイルス感染症にかかっても、日数が経過すれば自然に快方に向かいます。しかし、中には個体のウイルスに対する反応の強さのために、ひどい湿疹が出現したり、意識がもうろうとしたり、手足の力が入りにくくなったりすることが稀にあります。また体力が落ちた場合に、二次的に細菌感染症に罹患して、病状が長引く場合もあります。

個々によって経過は様々ですので、個々の症状に応じた診療をするように心がけています。